Codex SEOワークスペースの構成:`AGENTS.md`、サイトコンテキスト、データマップ、レポート、承認ゲート。
実際に作るもの
CodexのSEOワークスペースは、プロンプトを集めたフォルダではありません。Codexが永続的な指示を読み、サイトファイルを調べ、安全なチェックを実行し、レビュー可能なSEO/GEO成果物を作れるプロジェクトです。その中心になるのが AGENTS.md です。これは、リポジトリ内でCodexがどのように振る舞うべきかを定義するプロジェクト指示ファイルです。
毎回巨大なプロンプトを貼り付けずに、CodexへSEOルールを覚えさせたいときに、このワークフローを使います。安定したルールは AGENTS.md に置きます。変化するデータは seo/ 配下のファイルに置きます。一回だけの依頼はチャットに書きます。
このチュートリアル用に作成した、`AGENTS.md` とSEO作業ファイルの関係を示す日本語ワークスペース図。
AGENTS.md に入れるべき内容
AGENTS.md は、Codexを導けるだけ具体的である必要があります。ただし、第二のCMSになるほど大きくしてはいけません。運用ルールに集中させます。
| セクション | 入れる内容 | 入れない内容 |
|---|---|---|
| 役割 | Codexは自動公開者ではなく、SEO/GEOオペレーターである | 抽象的なブランド哲学の長文 |
| ワークスペースのパス | エクスポート、レポート、スクリーンショット、作業キューの保存場所 | APIキーやシークレット |
| 安全ルール | 承認なしで本番公開、URL送信、canonical/robots変更をしない | 「気をつけて」のような曖昧な指示 |
| 出力形式 | ブリーフ、チケット、表、QAメモ | レビューしにくい自由形式の要約 |
| 検証 | コマンド、チェック、必要な証拠 | 根拠のない順位保証 |
ワークスペース構造を作る
まず、クリーンなプロジェクトフォルダから始めます。
codex-seo-workspace/
AGENTS.md
seo/
site-context.md
data-map.md
prompt-map.csv
monitored-urls.csv
action-queue.md
reports/
exports/
screenshots/
次に、SEO作業を始める前に、Codexへフォルダを確認させます。
Read AGENTS.md and the files under seo/. Do not change any production file.
Summarize what data is available, what is missing, and what SEO/GEO tasks are safe to run.
初心者の場合、この最初の確認がとても重要です。いきなり「SEOを改善して」と頼むと、Codexは意図しないファイルまで触る可能性があります。先に、読んでよいファイル、作ってよい成果物、まだ触ってはいけない本番ファイルを固定します。
SEO/GEO用のスターター AGENTS.md
リポジトリのルートに AGENTS.md を作り、次の内容から始めます。
# Codex SEO/GEO Operator Instructions
You are assisting with SEO and GEO operations for this site.
## Allowed work
- Read public site files and exported analytics data.
- Create briefs, reports, tickets, and review checklists.
- Propose changes with evidence.
- Run local validation commands when they are safe.
## Blocked work without explicit approval
- Publishing CMS content.
- Submitting URLs to search engines.
- Editing robots.txt, redirects, canonicals, schema, sitemap files, or production config.
- Changing account settings or using write-enabled API keys.
## Required outputs
Every recommendation must include:
- evidence source
- affected URL
- confidence
- risk level
- next action
- whether human approval is required
## File conventions
- Store exports in seo/exports/.
- Store reports in seo/reports/.
- Append approved tasks to seo/action-queue.md.
- Keep raw snapshots separate from summaries.
このファイルは英語のままで構いません。Codexへの実行指示として使うためです。大切なのは、公開、検索エンジン送信、robots、redirect、canonical、schema、sitemap、分析設定のようなリスクの高い作業を、明示的な承認なしで実行させないことです。
戦略を頼む前にサイトコンテキストを追加する
Codexは、推測ではなく事実を読める状態のほうが良い出力を出します。まず seo/site-context.md を作ります。
# Site Context
Brand:
Primary audience:
Main product or service:
Priority markets:
Important URLs:
Known competitors:
Conversion paths:
Topics we should avoid:
次に seo/data-map.md を作ります。
# Data Map
| Source | File or connector | What it proves | Freshness | Limitations |
| --- | --- | --- | --- | --- |
| GSC | seo/exports/gsc-queries.csv | queries, clicks, impressions, CTR | weekly | Google only |
| Bing | seo/exports/bing-pages.csv | Bing clicks and crawl hints | weekly | smaller volume |
| GA4 | seo/exports/landing-pages.csv | engagement and conversion | weekly | attribution limits |
ここで完璧なデータをそろえる必要はありません。最初はCSVでも十分です。重要なのは、Codexが「この数字はどこから来たのか」「どのくらい新しいのか」「何を証明できて、何を証明できないのか」を読めることです。
最初に実行するタスク
最初の依頼は「SEOをやって」ではなく、棚卸しタスクにします。
Using AGENTS.md, site-context.md, and data-map.md, create a first-week SEO/GEO action plan.
Do not write final copy. Do not change files outside seo/reports/.
Return:
1. missing data
2. top safe checks
3. pages to inspect
4. risks
5. approval needed before any edits
この依頼では、Codexに本番ページを書き換えさせません。まずは、足りないデータ、確認すべきページ、安全に実行できるチェック、承認が必要な作業を整理させます。
良い出力の見分け方
使えるCodex出力は、ファイル名、証拠、次の作業を具体的に示します。
| 発見 | 証拠 | 安全な次アクション | 承認 |
|---|---|---|---|
| セットアップガイドは表示回数があるがCTRが低い |
| タイトル/meta案をブリーフにまとめる | 編集者 |
| GEOプロンプトマップに比較系プロンプトの対象URLがない |
| target URL列とページ対応を追加する | SEO責任者 |
| robotsルールがAIクローラーをブロックしている可能性がある | ローカルの | 技術チケットを作る。編集はしない | エンジニア + SEO |
逆に、悪い出力は「コンテンツをもっと良くする」「E-E-A-Tを高める」「内部リンクを増やす」のように、証拠や対象URLがないまま終わります。Codexには、必ず証拠、影響URL、リスク、承認要否を出させます。
よくある失敗
- 一時的なデータを
AGENTS.mdに入れてしまう。 - 承認ゲートの前に、Codexへ公開やURL送信を依頼してしまう。
- 永続的なワークスペースファイルを作らず、巨大な1回きりのプロンプトで済ませる。
- 証拠を読む前に、Codexへページを書き換えさせる。
- なぜ提案が採用または却下されたのかを記録しない。
初心者向けの運用ルール
このワークスペースを安全に使うなら、最初の1週間は読み取り専用にします。Codexにはレポート、ブリーフ、チケット、チェックリストだけを作らせます。ページ本文、schema、canonical、redirect、sitemap、robots、分析タグには触らせません。
2週目以降に、1ページだけを対象にして差分案を作らせます。その場合も、Codexの出力はそのまま公開せず、人間がdiffを見て承認します。初心者が最短で成果を出すコツは、速く自動化することではなく、壊してはいけない範囲を先に固定することです。
FAQ
AGENTS.md はプロンプトと同じですか?
いいえ。AGENTS.md は、プロジェクト内で繰り返し使う永続的なガイドとして扱います。毎回変わらないルール、禁止事項、出力形式、保存場所を書くためのファイルです。
APIキーを AGENTS.md に入れてもよいですか?
入れてはいけません。シークレットは通常の安全な環境変数やシークレット管理に置きます。AGENTS.md には、利用できるデータソースと安全ルールだけを書きます。
MCPがなくても初心者は使えますか?
はい。最初はGSC、Bing Webmaster Tools、GA4、キーワードツールからCSVを書き出して使えば十分です。ワークフローが役に立つと確認できてから、MCPを追加します。
Codex SEO/GEO 学習パス
この記事は Codex SEO/GEO オペレーターシリーズの一部です。ゼロから構築する場合は、次の順番で進めてください。
- 2026年にCodexで自動GEOを実践する方法
- CodexでSEOを自動化する方法
- AGENTS.mdでCodex SEOワークスペースを作る方法
- MCPでCodexをSEOデータに接続する方法
- 2026年版:最も実用的なCodex GEO Skill
- キーワードクラスタリング用のCodex Skillを作る方法
- SERP、コンテンツ、テクニカルSEOでCodex Subagentsを使う方法
- 本番を壊さずにCodexでテクニカルSEOを修正する方法
- Codex Automationsで毎日のSEO/GEO監視を行う方法
- Codex SEO/GEO品質ゲート:Diff、証拠、テスト、人間の承認
- CodexでSEO/GEO対応のWebサイトを作成・デプロイする方法
次に読むべき記事
- 前の記事: CodexでSEOを自動化する方法
- 次の記事: MCPでCodexをSEOデータに接続する方法
- 関連記事: Codex SEO/GEO品質ゲート:Diff、証拠、テスト、人間の承認
参考情報
現在の構文や製品挙動については、OpenAIの公式Codexドキュメントを信頼できる情報源として確認してください。
- Codex CLI: https://developers.openai.com/codex/cli
- AGENTS.md: https://developers.openai.com/codex/guides/agents-md
- Codex Skills: https://developers.openai.com/codex/skills
- Codex MCP: https://developers.openai.com/codex/mcp
- Codex subagents: https://developers.openai.com/codex/subagents
- Codex configuration: https://developers.openai.com/codex/config-reference
Author: Camille Rhodes, Auspiaで300以上のAIコンテンツワークフローを設計してきたアーキテクト。Camilleは、成長チーム向けにAI支援コンテンツシステム、自動化、編集品質管理について執筆しています。